やまびこ歳時記


〜10月〜

彼岸花

   父の胸湿布にして

  貼ったっけ






今年の

彼岸花は

咲くのが

遅かった

気温が

高いせい


真っ赤な花は

地獄の炎を

見るようだ


でも

彼岸の頃

一輪、二輪と

咲きだした


季節は

変わることなく

やってくる


呼び名は

さまざな

金子みすゞは

花火と

見立てていた


亡き人に

出会える

頃となった




みんなの広場へ


表紙に戻る