リレーエッセイの順番がまわってきた。 1月に1回の更新で、会員に順番にまわってくるので、前回は2年近く前にまわってきたはずだ。 2年前?令和5年はどんな年だった?と思いなから、記憶の糸をたどる。 スマホのスケジュールをたどって、あんなことがあった、こんなことがあった年だったとようやく思い出した。 私は人に「いろんなことをよく覚えている」と言われることが多い。 身内には、「つまらんことをよく覚えている」とも言われる。 記憶力が人一倍秀でていたとしたら、もっと違う人生を送っていただろうから、 やはり記憶力というよりは、人が忘れてしまうようなどうでもいいことを覚えているだけなのだと思う。 学生時代の部活動の友達6人と作ったグループラインがある。 東京から富士山の初冠雪の写真が送られきたり、地元の友達がお出かけしたら出雲大学駅伝に出くわしたと言ってきたり、 どうでもいいおしゃべりを楽しんでいる。 学生の頃の昔話になることが多い。 私があのときに、誰がどうしたとか、あんなことしたとか、どうでもいい役に立たない記憶力を発動すると 「そうだったねえ、言われて思い出した」と言われる。 「そんなことがあったっけ、全然覚えてない」と言う人もいる。 そのくせ、私は、同級生の名前や顔はあまり覚えていないし、その人が今どこで、どうしているなどというその後の情報になると、 なんともあやふやになってくる。 その話をしたら、記憶が映像として残るタイプなんだろうと言われた。 言われたらそうなのかもしれない。 出来事の断片がイメージで残っているだけで、決して記憶力が良いわけではないのだ。 年齢を重ねると昔の話をしたがる、というけど、友達や姉と学生時代の話や子どもの頃の話をするのは、懐かしくて楽しい。 記憶の糸をたどることで、脳が活性化するならこのうえない、と、どうでもいい昔の話で盛り上がる。 記憶力で思い出したが、一回読んだはずの本の内容は、なぜ、すぐに忘れてしまうのだろうか。 読み始めて、あれ?これは、読んだことがあるぞ、と思うのだが、どうしても結末が思い出せない。 途中のエピソードなどは覚えているのに。 思い出せないまま、結局は最後まで読んでしまうことがよくある。 子どもの頃のように、手書きの図書カードがあれば、自分が一度借りた本が一目瞭然でわかるのだが、 図書館では、バーコードをピッとしてもらうだけなので、それもままならない。 きっと私の貸し出し記録を検索したら、同じ本を何度も借りているのだろうなと思う。 この人、同じ本を何回借りるんだろうと思われているかもしれない。 本を買って帰ったら、すでに我が家の本棚に並んでいた、というよりはましか、と思いながら、今日も図書館で本を借りた。 1回読んだような気もするけど、タイトルは初めて見る気がして、お気に入りの作者の本を何冊か借りてきた。 さてさて、読んでみましょうか。