昨年のことになるが、地元の小学生がおばあさんを助けた話が新聞に掲載されていた。 それは、6年生の女の子3人が、明らかに困っている様子のおばあさんを見かけて、話しかけたけれど、 聞こえない様子だったので、紙に書いてやりとりしながら交番まで送り届けたというもの。 一人は筆談し、一人はおばあさんの荷物を持ち、一人は危なくないように手を引くというように、役割分担をしたそうだ。 そのおばあさんは施設を抜け出し、帰り道がわからなくなっていたらしい。 この記事を読んで、勇気をもって話しかけ、自分たちで助けようとした子どもたちの行動に素晴らしいなあと感動したが、 その優しさもさることながら、筆談してやりとりしたということに、本当に驚いた。 この小学生は、どうして書くということを思いついたのだろう。 話しかけても聞こえないから仕方ない、と諦めてしまいそうなのに。 自然に筆談ができた背景、経験などがあったのだろうか。 筆談ですよ、小学生が‥と、とっさに適確な行動ができたことが衝撃で、この記事が忘れられない。 「聞こえない人には書いて伝える」これは、私は要約筆記の勉強をして、初めて知ったこと。 要約筆記に関わるようになって長年経つけれど、私は周りの人に、そのことをほとんど伝えられていないように思う。 そんな反省をしつつ、筆談や要約筆記のことをもっと広く知ってもらえて、この子達のように対応してくれる人が増えていくといいなあと願っている。