読書の広場


「手加減の独り舌打ち

自分の好みで料理を作って、「おいしい!」と自分だけで食べる
他人の意見や気持ちを気にしなで自分だけで楽しむことを表しているようです
それって良いことなのか悪いことなのか・・・・状況によるかもね
周りのことも考えないといけないこともあるよね




 私のおすすめの本 




 読書好きな仲間から本の紹介コーナーです

「さがしもの」

角田 光代 著  新潮文庫




この本は、本をテーマにした短編小説が9編と、最後にエッセイが入っている。
そのなかから、タイトルにもなっている「さがしもの」を紹介したいと思う。
主人公の私は、中学2年のとき、入院している祖母に1冊の本を探してほしいと頼まれる。
しかし、あちこち、本屋をまわっても、その本は見つからなかった。
そのうち祖母は亡くなってしまったが、思いをかなえてやりたくて、その後も本を探し続けた。
そして、大学3年生になったとき、復刊となったその本をやっと見つける。
それは、画家のエッセイ集のような本で、そのなかに若い頃の祖母と思われるような女の子が出てくる。
この本には、他に初めて古本屋に出した本と、海外旅行先で何度も出会う「旅する本」、一緒に暮らしていた彼と別れることになり、引っ越しの準備をしながら彼との思い出をたどる「彼と私の本棚」などが入っている。
この話のなかにもあったが、前に読んだときは、あまり面白くなかったなと思っていたものが、何年かたって読んでみると、こんなに面白かったんだと思うこともある。
また、以前読んでいて内容もわかっていたつもりなのに、読み返してみると、あれ、こういう話だったっけと思うこともある。
そして、初めて読む本は、どんな話なんだろうと思うと、わくわくしてくる。
私にとって楽しみの一つである。







睡眠の起源

金谷 啓之かなや ひろゆき  講談社現代新書




ヒドラという生物がいます。

0.5センチから1センチの大きさで、分類は刺胞動物。

・・・クラゲ、イソギンチャク、サンゴなどの仲間で、触手に「刺胞」と呼ばれる毒針の入った細胞小器官を持つ動物。

口から摂取し口から排出する袋状の単純な体構造をしています。

私たちは長らく「睡眠=脳を休めるための状態」と考えてきました。

ヒドラには神経細胞はあるのですが脳(中枢神経)がありません。

ないにもかかわらず眠るような状態を示すのです。

睡眠の起源が神経系・脳以前に遡る可能性があると。

このことを解明、発見したのは山口県出身の金谷啓之さん。

この発表に世界が驚きました。

彼は幼稚園のころには将来研究者になると書いています。

小3から庭にやってくるアゲハ蝶の観察を始め、蝶道があること、そしてアゲハ蝶が夜やってこないのは眠るからか?と思い当たります。

高校に入ってももっぱら科学部での研究に没頭します。

大学でヒドラに出会い、彼はやがて睡眠と麻酔、そして意識について考え始めます。

麻酔による眠りは睡眠なのだろうか。眠っているときの自分は何なのか。

現在彼は東京大学大学院で研究中です。






みんなの広場へ

表紙に戻る