この本には、3話の短編小説が入っている。
そのなかで、タイトルにもなっている「夏の体温」を紹介したいと思う。
主人公は、高倉瑛介、小学校3年生で小児病棟に入院して1カ月になる。
ある日、たいくつな毎日を送っていた瑛介のところへ、同い年の田波壮太が、低身長の検査のため2泊3日の予定で入院してきた。
壮太は、とても陽気で、2人は、すぐに意気投合し、超楽しい3日間を過ごす。
検査が終わり、壮太は瑛介のために、たくさんの紙飛行機を作って、退院した。
しばらくして、壮太から、夏の暑さを感じたいと言っていた瑛介に、手紙と一緒に干からびたバッタが送られてきた。
壮太の気持ちが表れていて、男の子が考えそうなことだなと思い、笑ってしまった。
これから先も、きっとこの2人は、いい友だちでいるんだろうなと思った。
著者の作品には、ふわっとした柔らかい空気感があって、それがとても心地よかったりする。
だから、また読みたいなと思う。