私のおすすめの本
この本は、本をテーマにした短編小説が9編と、最後にエッセイが入っている。
そのなかから、タイトルにもなっている「さがしもの」を紹介したいと思う。
主人公の私は、中学2年のとき、入院している祖母に1冊の本を探してほしいと頼まれる。
しかし、あちこち、本屋をまわっても、その本は見つからなかった。
そのうち祖母は亡くなってしまったが、思いをかなえてやりたくて、その後も本を探し続けた。
そして、大学3年生になったとき、復刊となったその本をやっと見つける。
それは、画家のエッセイ集のような本で、そのなかに若い頃の祖母と思われるような女の子が出てくる。
この本には、他に初めて古本屋に出した本と、海外旅行先で何度も出会う「旅する本」、一緒に暮らしていた彼と別れることになり、引っ越しの準備をしながら彼との思い出をたどる「彼と私の本棚」などが入っている。
この話のなかにもあったが、前に読んだときは、あまり面白くなかったなと思っていたものが、何年かたって読んでみると、こんなに面白かったんだと思うこともある。
また、以前読んでいて内容もわかっていたつもりなのに、読み返してみると、あれ、こういう話だったっけと思うこともある。
そして、初めて読む本は、どんな話なんだろうと思うと、わくわくしてくる。
私にとって楽しみの一つである。
ヒドラという生物がいます。
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